こんにちは!5STAR MARCHEトレーニー生の藤原です。
今回、園地訪問として大志農園さんを訪問しましたので、レポートします!
梅しごとの現場へ
和歌山の南部に広がる、大志農園。ここで長年、梅づくりに情熱を注いできた井口さんを訪ねました。今年度の梅の様子を視察するためです。例年なら初夏に向けて色づいていく梅の実たち。しかし、2025年は少し様子が違いました。

ヒョウに打たれた梅の実たち
井口さんによると、今年はすでに三度のヒョウに見舞われたそうです。自然の猛威は、実に容赦がありません。「これ、ヒョウが当たったやつ」と見せてくれた梅の実は、小さなかさぶたのような跡を残していました。見た目には傷ですが、どこか健気で、生き残った証のようにも見えます。

「でも、これでも被害は少ない方なんですよ」と井口さん。その言葉に、自然と向き合いながらの梅しごとの厳しさが滲みます。
今年は不作。でも作業は少し軽減?
「収量は少ないけど、収穫量が減れば作業自体は楽にはなるかもね」と井口さんは笑います。複雑な表情のなかに、どこか吹っ切れたようなやさしさがありました。
農業は天気任せ。良い年もあれば、試練の年もある。それでも、やることは山のようにあります。

梅農園の風景
広がる梅畑の足元には、青いネットが丁寧に張られていました。「ここに梅が落ちてくるんよ。傷まんようにね」と井口さん。
収穫期には、このネットの両端を二人で持って、梅の実を集めていきます。人と自然が、無理なく付き合っていくための工夫がそこにありました。

二年続きの不作。問われる「梅農家」という存在
昨年に続いて、今年も不作。井口さんはふと、こんな話をしてくれました。
「豊作の年は、余った梅を山に捨てる農家もあった。あれって、どうなんやろね」
その言葉が胸に残ります。
形のきれいな梅が市場に好まれる一方で、その見た目を保つために農薬が使われる現実。
「農薬を使わない、見た目に少し傷がある梅は“ダメな梅”なのか?」
「本当にそれが“良い梅干し”と言えるのか?」
問いは、梅農家だけでなく、私たち消費者にも投げかけられています。

自然とともにある、ということ
農業は自然とともにある仕事です。けれども今、その関係が問われています。
見た目より中身、効率より持続性。そんな価値観を大切にできる社会でありたいと、梅畑を歩きながら感じました。

梅農家と書道家の二足のわらじ
井口さんは、実は書道の先生でもあります。梅づくりの合間には、地元の子どもたちに書道を教えたり、地域の活動にも積極的に関わっていらっしゃいます。そのエネルギーに、ただただ驚かされました。
太陽のような笑顔と、梅畑に立つその姿が、とても印象的でした。

はじめての梅農園で思ったこと
今回、大志農園を訪れて、はじめて「梅農園」という場所に足を踏み入れました。
ヒョウに打たれた梅の実がかさぶたのようになることも、梅の実を守るために青いネットが土に敷かれていることも、正直なところ、何ひとつ知りませんでした。
梅干しは、いつも台所にあって、気づけば手に取っている身近な存在です。けれど、その裏側にある「育てる」「守る」「拾う」といったたくさんの手間や知恵に、私は今まで気づいていませんでした。
私たち消費者が、生産者の声に耳を傾けること。
その小さな一歩が、よりよい「梅しごと」につながっていくのかもしれません。

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